アンケートがとにかく嫌い。どんな種類であれ、するのもされるのも。かりにその方法によってしか知りえないことがあったとしても、である。何より気に入らないのが、無記名という点である。
今や大学の授業では、受講生アンケートが当たり前になっている。学生各自が受けている授業すべてに関してであり、時期も集中するから、アンケートずれしてしまうのも無理はない。どの質問項目であれ、ほとんど考えることなく、中間の「普通」あるいは「どちらでもない」に印を付ける。アンケートが授業改善に役立つと信じる輩もいるようであるが、このような回答が大勢を占めるのでは、何の意味もないから、ほとんど意に介さない。
ところが、市民向け講座の受講者アンケートとなると、そういうわけにもいかない。なにせ大学や学生とは違って、アンケート結果の評価が総じて低ければ、次は開講できなくなるばかりか、世間での悪評にもつながりかねない。幸いに、これまで自分が担当した講座で、とくにひどい結果はなかったものの、この程度の評価しかされないのかとガッカリしたり、妙に気になる回答があったりしたことはある。
この八王子文芸アカデミーでは、開講以来、どの講座でもアンケートを求めることがなかった。見識ゆえか、単にズボラなだけか(笑)分からないが、余計な心配をしなくて済む分だけ、気持よく話ができる。とはいえ、今後のことを考えれば、何らかの形で、受講者の皆さんの反応なり要望なりを受け入れる必要はあろう。ただ、それが無記名アンケートでないことを願うばかりである。
なお、埋め草の埋め草になるが、今年度開講講座の中に、自分の名前がない。じつは村八分にあったのです(涙)。というのはウソで、本当は、これまで担当してきた言葉遊び塾が埋め草にも足りないようで、さて今後どうしたものか、考えあぐねているからである。何かご希望があれば、事務局までお知らせください。埋め草一変して、ウメー草になるかも?
(半沢幹一)