古代人の声に耳を傾けてみよう
私たちに日本神話を伝えてくれる『古事記』や『日本書記』は、天皇による国土支配の正統性を語るために、それまでの日本列島にあったさまざまな神話を集め、体系化したものです。しかし、そのひとつひとつの神話は、その古層に、もっと人間の生の根源にかかわるような、つまり現実の社会で生き生きと機能する神話の姿をとどめています。
前回講座では仲哀(ちゅうあい)天皇段、そしてその皇后である神功皇后(じんぐうこうごう)の活躍を中心に読み進め、二人の子である応神(おうじん)天皇段に入りました。仲哀天皇は、天皇であるにもかかわらず、皇祖神アマテラスによって殺され、神功皇后は、皇后でありながら海を渡り新羅を征討しました。
今回は引き続き応神天皇段を読み進め、『古事記』中巻がどのような巻であったかについてのまとめをしたいと思います。
【日程】全5回 いずれも13:00~14:30
第1回 3月10日(月) 前回までの復習、矢河枝(やかはえ)比売、髪長(かみなが)比売
第2回 3月17日(月) 髪長比売(続)、国主(くず)の歌・百済の朝貢
第3回 4月 7日(月) 大山守の反逆
第4回 4月14日(月) 天之日矛(あめのひぼこ)、秋山の下氷壮夫(したひをとこ)と春山の霞壮夫
第5回 4月21日(月) 天皇の御子孫、中巻全体の振り返りと下巻に向けて
※今回からの受講も大歓迎です
【教室】
第1回:第4セミナー室
第2回:第3セミナー室
第3回(4月)以降:未定(決まり次第、更新します)
【用意するもの】
『古事記』をご用意ください。
※講座では岩波文庫版『古事記』960円(税別)を使用しますが、読み慣れない方には、中村啓信訳注『新版 古事記 現代語訳付き』(KADOKAWA、1,160円(税別))もおすすめです。
【受講料】
5,000円
【講師】
生駒 桃子
Ikoma Momoko
共立女子大学文芸学部非常勤講師
専攻は日本古代文学。人と神(異類)との関わりが、『古事記』や『日本書紀』においてどこのように記されるのかに関心がある。