一度は読み通したい
『平家物語』は単なる平家・源氏による合戦記ではありません。約15年の間に、登場しては退場する主人公たち(たとえば平清盛と息子・孫たち、源義仲や源義経など)と、彼らの生きた時代・社会・人々による歴史ドラマです。
今期でちょうど半分の巻六です。奈良の興福寺東大寺を焼き尽くした平家は「仏敵」となり、後白河院の院政を停止して王法もないがしろにした事と相まって「悪」の権化となりました。その報いは、高倉院の若すぎる死となり、引き続き熱病でのたうちながらの清盛の死を引き起こします。ここで、平清盛という存在の総括が行われます。
本講座は続きものですが、いつお入り頂いても、その日から古典の面白さに触れることができます。新しい方々のご参加を心よりお待ちしております。
【日程】全6回 いずれも10:00~11:30
第1回 5月28日(水) 巻六 小督
第2回 6月 4日(水) 廻文 飛脚到来
第3回 6月18日(水) 入道死去
第4回 7月 2日(水) 入道死去続き
第5回 7月16日(水) 築島
第6回 7月30日(水) 慈心房
【教室】
未定(決まり次第、更新します)
【用意するもの】
梶原正昭・山下宏明校注『平家物語(二)』岩波文庫(黄113-2)1,010円+税
*必ずこの岩波文庫をお持ちください。
【受講料】
6,000円
【講師】
菅野 扶美
Sugano Fumi
共立女子短期大学名誉教授
2020年3月まで共立女子短期大学教授。専門は中世文学、宗教、芸能。特に歌謡集『梁塵秘抄』とその編者後白河院について。北野天神信仰研究も行っていますが、これは時代を横断して平安期から近世江戸期まで。