「冒険小説」を読む――『ロビンソン・クルーソー』『十五少年漂流記』etc.
わが国の翻訳の歴史をみると、その第一ページを飾っているのはジュール・ヴェルヌの『八十日間世界一周』(川島忠之助訳)であり、ダニエル・デフォーの『魯敏孫漂流記』(井上勤訳)でした。最初の教養小説(ビルディングスロマン)の翻訳である『花柳春話』(織田純一郎訳)も冒険小説的な構図と無縁ではありません。そこには、イデオロギーともいうべき西洋の合理主義的な経済観や時間観念が示され、またプロテスタントの世界像が語られ、恋愛観や立志観が書き込まれていました。冒険小説は新しい未知の世界に乗り出す物語的な想像力を盛るのにふさわしい器であったといえます。世界の「秘密」を知りたいという欲望に適っていました。
ここでは、『ロビンソン・クルーソー』『八十日間世界一周』『十五少年』『花柳春話』『小公子』などを取り上げ、歴史的に文化史的に洋の東西をまたいでいた問題を考えてみます。
【日程】全5回 いずれも13:00~14:30
第1回 5月19日(火) 『ロビンソン・クルーソー』(井上勤訳)
第2回 5月26日(火) 『十五少年』(森田思軒訳)
第3回 6月9日(火) 『八十日間世界一周』(川島忠之助訳)
第4回 6月30日(火) 『花柳春話』(織田純一郎訳)
第5回 7月7日(火) 『小公子』(若松賤子訳)
【教室】
教室は未定です。決まり次第、更新します。
【用意するもの】
特になし。毎回プリントを配布します。
【受講料】
5,000円
【講師】
高橋 修
Takahashi Osamu
共立女子短期大学名誉教授
明治の翻訳文学を中心に、日本の近代文学を研究しています。
著書に『明治の翻訳ディスクール』(2015年)と、近代小説の〈終り〉のありようについて論じた『主題としての〈終り〉』(2012年)があります。
